運動療法の種類

基本的な運動療法

運動療法とは読んで字のごとく、運動によって機能回復を目指すものです。自分自身や他人の手を借りて筋肉や関節を動かします。運動療法と言っても脳血管疾患の後遺症によるリハビリだけではなく、一般的なラジオ体操やスポーツ選手がトレーナーから受けるようなストレッチまで様々です。簡単に種類を紹介します。

運動療法の種類

  1. 関節可動域訓練(ROM)
    関節可動域の維持や拡大を目的とします。痛みの少ない範囲で関節を動かします。関節を動かさないでいると、一般的な人でも2週間程度で固くなってしまいます。2ヶ月以上放置してしまうと従来の可動域には戻らなくなります。訓練には他動的・自動介助・自動的があります。「他動」と「自動」って何?ってなりますよね。「他人」が行うのが他動、「自分」が行うのが自動です。筋力の強さによって使い分けます。
  2. 筋力増強訓練
    つまり筋力トレーニング(筋トレ)です。筋肉を収縮させて関節を動かす「等張性運動」と関節を動かさないで行う「等尺性運動」があります。また筋力の状況に応じて他動運動・自動介助運動・自動運動・抵抗運動・漸増抵抗運動を行います。
  3. ストレッチング
    短く収縮してしまった筋肉や腱、関節包などの軟部組織を伸ばして柔軟性を保ち、怪我や拘縮の予防、関節の可動域を改善する目的で行います。ストレッチにも他動的、自動的があります。またラジオ体操などのように反動をつけて行う動的ストレッチ、リラックスして反動を付けない静的ストレッチがあります。
  4. 関節モビリゼーション
    関節痛や拘縮した関節に用いられます。関節の動作(転がり、滑り、回転等)を他動的に改善し痛みを和らげます。
  5. 協調性訓練
    運動フォームや細かい作業、脳性まひや運動失調症に対する訓練、運動です。神経生理学的なPNFやホバース法、バイオフィードバック法などがあります。
  6. その他の訓練
    呼吸訓練、日常動作訓練(ADL訓練)、義肢装着訓練など