腕を上げると肩が痛い

肩の付け根の痛み

一般的な僧帽筋などの肩こりではなく、腕を上げると痛む場合の代表的ものは以下の通りです。

  • 石灰性腱炎
    肩の回旋腱板に石灰が沈着して肩甲骨の肩峰(けんぽう)の下の肩甲下包に炎症を起こす疾患です。急に発症して痛み炎症反応があります。出来るだけ早く整形外科を受診したほうが良いですね。
  • 肩峰下インピンジメント症候群
    肩の腱板や肩甲下包が肩甲骨の肩峰や靭帯に何度も繰り返して衝突(インピンジメント)することで痛みます。特に回旋腱板のひとつである棘上筋腱が障害を受けやすいので、腕を上げている角度によって痛みがあります。急性の場合は無理に動かさず整形外科を受診し、こわばりがあるようならマッサージや温めもよいでしょう。
  • 腱板断裂
    老化、繰り返す刺激、外傷、肩峰下インピンジメント等による無理な負担がかかると断裂して痛みます。整形外科を受診し急性期を過ぎたらマッサージを行い、癒着の予防や血行の改善に努めましょう。
  • 五十肩(肩関節周囲炎)
    中高年(40~60代)に多く、徐々に痛みと運動制限が現れます。頭を洗うのが辛い、エプロンのひもを後ろで縛るのが辛いなどの症状が現れます。加齢による軟部組織の老化変性によって関節が拘縮します。炎症がひどくなると夜間に肩から肘にかけて痛みがあり、炎症のピークを過ぎると関節は拘縮しやすくなります。
  • 上腕二頭筋長頭腱炎
    肩(上腕骨)の全面に痛みがあります。上腕二頭筋は腕を曲げると出来る力こぶです。その上腕二頭筋の腱に炎症が起きると痛みます。中高年で断裂する場合もあるので注意しましょう。

回旋腱板を柔軟に

肩周囲の腱は加齢に伴って炎症を起こしやすくなり断裂にも気を付けなければなりません。肩甲骨の動きが悪いのも炎症を誘発する原因になります。炎症を起こしそうな時は腕の角度によって痛みや違和感があると思います。痛みをこらえて使い続けると悪化してしまいます。使い過ぎた後は冷やしたり、慢性痛の時は温めたりマッサージをして柔軟性を維持しましょう。チョット最近、腕の角度によって肩が痛いな。と思ったら注意した方がいいですね。肩のインナーマッスルである回旋腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)を意識した筋力トレーニングとストレッチ、肩甲骨周囲のマッサージもしっかり行いましょう。