伸ばしにくい手足の関節

老化による機能の低下。

歳を重ねるとともに筋肉量の低下、筋力低下がみられます。このような状況をサルコペニアやフレイルと言われますが健康寿命を延ばすためのキーポイントになります。筋力が低下するとカラダが重くなり若い人でも運動することが億劫になります。まして高齢になると若い頃と違って「気力」がなくなり、さらに心疾患や脳血管疾患等があれば負荷のかかる運動は出来ません。また股関節症や膝関節症等の関節障害を持っていると関節の可動域が狭く痛みがあり動かせません。

筋肉の働き。

骨に付着している骨格筋(こっかくきん)は姿勢を維持したり関節を動かす事以外に、静脈血やリンパ液を送るためのポンプとして機能したり、熱を生み出し身体を温めます。使用頻度の少ない骨格筋は委縮(いしゅく)してしまい、このような働きも低下してしまいます。

関節が固い。

骨格筋が萎縮し関節が固まってしまう拘縮(こうしゅく)が起こると手足は伸ばせません。関節付近にはリンパ節があり、肘や膝、股関節などの動きが悪いと血液やリンパ液の循環が悪くなります。高齢になって関節が折り畳み式に圧迫されている方も多く見られます。

手足の関節を大きく動かそう。

手足が伸ばせないのは高齢者に限った話ではありません。運動不足により関節を大きく動かす機会が少ない人、生まれつきカラダが硬く柔軟性の乏しい人にも多く見られます。車移動が多い、スマホやPCを見る事が多い人も要注意です。長寿の時代、健康寿命を延ばして元気なカラダを維持しましょう!

高齢者の関節運動

家族の方が高齢者の関節を伸ばす際は出来るだけ弱い負荷でゆっくり行いましょう。忙しい時はどうしてもササっと早く強く動かしてしまいがちですが、
痛みの防御反応で反射が起き筋細胞を傷めてしまいます。始めは優しくゆっくり、関節が動く範囲で30回程度は動かしましょう。ある程度関節の動きが慣れた頃(痛みや反発がなくなった頃)に関節運動1回あたり10~15秒程度伸ばしてあげて下さい。関節周囲の循環障害が解放されて気持ちよさそうに眠る方も多いです。ただ骨粗鬆症等で自分でやるのが不安な方は専門家にご相談された方が良いでしょう。

おわりに

当記事は個人的な経験を下に作成した内容です。参考程度にお読みください。少しでもお役に立てられれば幸いです。