肩こりの範囲
肩こり
肩こりは肩甲骨を中心とした周囲の筋肉が持続的に緊張して疲労を起こすことから始まります。頑固で慢性的な肩こりは皮下の軟部組織、筋膜の癒着により組織間の滑走が悪くなったり血流やリンパ液の循環障害、知覚神経への刺激によって痛みを伴います。不良姿勢が持続すると巻き肩になり頭や首、背中の痛みだけではなく腕が痺れる事もあります。

肩こりを自覚する範囲は人によって様々です。自覚のない部分でも筋緊張を起こしている事もあり触診して丁寧に探る必要があります。
- 肩の上が痛い(僧帽筋、肩甲挙筋…)
- 肩甲骨の間が痛い、背中が痛い(脊柱起立筋、菱形筋…)
- 肩甲骨の周辺が痛い(上腕の内外旋筋群…)
- 肩の前後が痛い(上腕二頭筋腱、小胸筋、前鋸筋…)
- 首の付け根が痛い(肩甲挙筋、板状筋、半棘筋…)
- 後頭部や頭の付け根が痛い(僧帽筋、後頭直筋、半棘筋、後頭神経絞扼…)
- 肩こりが酷くて吐き気がする(頚椎周囲の筋緊張…)
- 腕を上げると肩が痛い(三角筋、棘上筋、上腕二頭筋腱…)
肩こりを起こす姿勢
長時間の不良姿勢、例えば顔を前に突き出す姿勢、肘を付く姿勢、あるいは重たいリュックを背負う事が多いケースでは肩甲骨につながる筋肉にストレスがかかり続け肩こりを起こしやすいでしょう。
何もせず放置していると慢性的な不良姿勢(猫背や巻き肩、いかり肩、なで肩)を形成します。
不良姿勢によって肩甲骨に付着する筋肉群は緊張し硬くなります。肩甲骨は本来自由に動くべきですが筋緊張が起こると肩甲骨を介した動作に支障が出ます。
例えば腕が重たい、腕が上がらない、腕を使うと疲れやすい、手を後ろに回せない、関節の痛みや炎症、筋緊張による手の痺れなどがあります。
スポーツにおいても肩甲骨の動きは重要です。フォームが崩れるとそれを補うために他の部位に負担がかかります。
猫背・巻き肩による肩こり
背中の筋力低下あるいは胸筋や腹筋群の短縮が起こると猫背になりやすいでしょう。
巻き肩は肩が前方に突き出るような姿勢になります。仰向けで寝て両肩が床に付かない人は巻き肩傾向です。巻き肩は肩甲骨が前方に引っ張られて背部の肩甲骨間が広がり猫背を形成します。
猫背は肩こりだけでなく胸やお腹の空間が狭くなるので呼吸が浅くなったり内臓圧迫による消化不良を起こす事もあります。
首の障害にも注意が必要です。PCやスマートホン、車の運転など猫背の状態で顔を突き出す姿勢は頚椎の自然なカーブを消失させる原因になりストレートネック(スマホ首)になりやすいでしょう。
ストレートネックは頚椎にストレスがかかり首の痛みや肩コリになりやすく、神経が圧迫されると腕や手、背中に神経痛が出たり痺れる事もあります。
いかり肩となで肩
いかり肩とは肩甲骨が慢性的に上がってる状態です。首から鎖骨や肋骨、肩甲骨に繋がる筋肉が緊張し凝り固まっています。
なで肩は反対に肩甲骨が通常よりも下がっている状態です。肩甲骨が下がることで筋肉が引っ張られストレスがかかります。
巻き肩と合併していることも多く、肩こりや首周囲の痛み、あるいは筋緊張により神経が圧迫されて腕が痺れる事もあります。
肩甲骨を大きく動かそう
肩こりの解消には肩甲骨の運動が効果的です。腕だけ回しても筋緊張を起こした肩甲骨は簡単に動きません。腕を回す場合は肩甲骨ごと大きく回しましょう。
肩の上下運動、肩を前後に動かす、後ろで手を組んで胸を広げる体操も有効です。
また普段から肩まわりが冷えないよう保温したり、肩や背中のマッサージだけではなく首や胸部、両腕をほぐしましょう。血流の改善と皮下組織の筋膜の癒着が解放され痛みも和らぎます。
筋肉の柔軟性は筋肉の伸張力に影響します。つまり体が硬いと本来の筋力を発揮できません。また転倒時の骨折や捻挫、骨や軟骨の変形を助けてしまう事もあるでしょう。
肩こりは我慢せず大きな動きで体操したり、改善できない場合は緊張した部位を丁寧にマッサージしてほぐしましょう。
※高血圧や心臓疾患など内科系の症状でも肩こりになる事があるので心当たりのある方は病院で検査しておくと安心です。

