脳梗塞で回復期リハビリ病棟を退院したら検討したい事
リハビリ期間(入院期間)は、対象疾患により60日~180日と決まっています。それ以上は回復の見込みがない等の理由で病院から退院をすすめられます。
脳梗塞や脳血管障害などの後遺症が残ったまま回復期リハビリテーション病院(病棟)を退院したら、その後はどうしたら良いのでしょう。
まだ車椅子であったり回復しきれていないまま退院となると不安になりますよね。
退院後は維持期(生活期)リハビリテーションとしてリハビリを行います。維持期のリハビリテーションは、老人保健施設(老健)や老人ホーム、訪問リハビリや通所リハビリ、病院へ通院などで受けるのが一般的です。
- 老人保健施設(老健)
- 老人ホーム(特別養護老人ホーム・有料老人ホーム)
- ショートステイ(短期入所)
- デイサービス(通所介護)
- デイケア(通所リハビリテーション)
- 訪問リハビリテーション
- 病院・診療所・介護療養型医療施設など
維持期においては上記のようなところへ入居もしくは通うなどしてリハビリを受ける事になります。
退院後も十分な運動ができないとせっかく回復した筋力が衰えて日常生活に支障をきたします。家族への負担をなくす為にも各施設でこのようなリハビリや機能訓練のサービスが受けられます。
しかし回復期に受けたリハビリに比べて充分なサービスを受けられるかというとそうではないようです。医師の指示がなければリハビリは受けられませんし、介護保険によるサービスは介護が中心、スタッフの人数に対して一人にかけられる時間も限られています。
関節や筋肉を動かす機会が少ないと筋力低下、筋萎縮(いしゅく)や関節拘縮(こうしゅく)が進んでしまいます。できれば施設でのリハビリや機能訓練だけでなく、家族が一緒になって筋力維持のために運動をサポートしてあげる事が大切です。
リハビリテーションの流れ。
脳梗塞や脳血管障害が発症し、救急で搬送されて処置が終わると急性期リハビリテーションが始まります。早い段階でリハビリを行う事が望ましいとされています。
1か月ほどで回復期リハビリテーションに移ります。回復期リハビリテーションは症状により入院期間(60日~180日)が決められています。
回復期リハビリテーションが終わると(決められた入院期間まで可能)、回復期リハビリテーション病棟から退院しなくてはなりません。
基本的に退院後の生活については、医師、看護師、リハビリスタッフ、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー等から提案されるのではないかと思います。
元気になればそのまま仕事に復帰できますが、後遺症等で生活に支障があれば維持期(生活期)リハビリテーションを行います。
維持期(生活期)リハビリテーションは、医療保険を使って外来リハビリへ通院したり、介護保険を使って通所リハビリや訪問リハビリ等を利用します。
利用する施設によって、医療保険適用、介護保険適用、医療保険・介護保険併用があり、適用対象外の場合は自費(保険外)になります。
介護保険を利用される場合は、区市町村の窓口で要介護(要支援)認定を申請して認定を受ける必要があります。申請したらケアマネジャー(介護支援専門員)に相談して下さい。
施設入居と在宅復帰によるリハビリ。
障害が残ったまま退院すると、他の施設に入居するのか在宅復帰を検討されると思います。家族の介護が大変であれば、介護老人保健施設(老健施設)や介護療養型医療施設、老人ホーム等へ入居してリハビリを受ける事になります。
在宅復帰の場合は、病院での外来リハビリを利用したり、デイケア(通所リハビリテーション)に通ったり、訪問看護ステーションからの訪問リハビリを利用することになります。
詳しい事は地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。地域包括支援センターは、保健師や看護師、社会福祉士、ケアマネジャーが所属しています。地域に暮らす人たちの介護や生活面等のサポートをしています。
リハビリは医療から介護へ。
厚生労働省は維持期(生活期)リハビリを介護保険へ移行する方針です。病院の外来リハビリよりも通所リハビリなどの利用が多くなっているのではないでしょうか。
医療から介護になると、どうしても介護ベースのリハビリになるので、回復期リハビリテーションのように個人に合った運動が不十分になります。
また保険を利用したサービスは期間や回数、限度額等の制限があります。
麻痺があると体はとても重くなります。高齢者の場合は体力や運動する気力もなくなります。どうしても楽をしようとするので体力の必要なリハビリは億劫(おっくう)になりがちです。
家族としてはもっと動いてもらいたい、関節が固まってしまう、血流が悪くなって床ずれ(褥瘡・廃用症候群)が心配。考えると不安になるのではないでしょうか。
十分なリハビリを受けられなとき。
少しでも元気でいてもらいたい、いつまでも歩いてトイレに行ってもらいたい、これ以上悪くならないよう予防したいと思うのは当然ですし、動けなくなると家族への負担にもなります。
できるだけ家族の方が運動を手伝ってあげたり関節を動かせれば良いのですが、無理に動かして骨を折ってしまいそう、筋肉を傷めそうと言った不安があると思います。
このような困ったご家族のために当院では筋力トレーニングのサポートを行っております。(既にリハビリを受けている方はそちらを優先してください)
これ以上悪くならないよう、いつまでも動ける体を維持したいですね。脳梗塞等の後遺症で元気を失った方が前向きになると、介護する家族の気分も明るくなります。
まとめ
回復期リハビリテーション病棟を退院したら、各専門家に相談をして良い施設を探しましょう。
- 回復期リハビリテーション病棟を退院したら、維持期(生活期)リハビリテーションへ。
- 維持期のリハビリテーションは老人保健施設や病院、老人ホーム、デイケア等で受けられる。
- 分からない事は地域包括支援センターに相談。
- 介護系の施設におけるリハビリだけでは物足りない事がある。
- 保険を利用したサービスは制限がある。
- 家族の運動支援は大事。
多摩地区を訪問しています。
多摩センターを中心に、八王子市、多摩市、日野市周辺を訪問しています。
多摩地区にお住いで筋トレサポートやマッサージを検討されている方は、お気軽にご相談下さい。