肩こりに関係する筋肉
肩こりがまた肩こりを
肩こりは筋力低下・筋疲労・ストレス・冷え・自律神経障害などで起こります。体の構造や生活習慣は人によって違うので、症状や痛みの度合いは違います。
集中力が途切れて作業効率が下がるとまたストレスとなって肩こりになります。肩こりを持っている方はきっとこのような経験があるのではないでしょうか?
肩こりは僧帽筋から
肩こりはこれらが引き金となって頭~首~肩甲骨にかけて走行する筋肉がこり固まり起こります。一般的には僧帽筋全体が固くなり、次に肩甲骨の間を中心に後頭部、首にかけて柔軟性を失っていきます。
肩こりに関係する筋肉を知って、肩こり解消に一歩近づきましょう。
肩こりに関係する筋肉とは
僧帽筋は比較的皮膚の近くに存在し大きくて冷えやすい筋肉です。肩こりを改善するためにはとても需要な筋肉です。
慢性的な肩こりを持っていると僧帽筋だけでなく肩甲挙筋や菱形筋(りょうけいきん)などの深部の筋肉も凝り固まります。また背部の筋肉だけでなく肩の前面、つまり胸の周りの筋肉や首の横から鎖骨周囲の筋肉もコリ固まってしまいます。肩こりが酷くなると後頭部の痛みも現れる事があります。
これらの筋肉が硬くなると顎が前に出るような姿勢になったり、両肩が前方に引っ張られる事で猫背(円背)になり不良姿勢を作り上げてしまいます。猫背(円背)になると重たい頭を支えるために首の後ろから背筋群まで常に筋緊張が続きます。
このように肩こりと一言で言っても、触ってみると広範囲の筋肉が関与している事が分かります。
頭や首を支える筋肉のコリ
- 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん):頭、上半身が前に倒れないように首の後ろで支えています。腕を高く上げる際にも必要な筋肉です。
- 板状筋(ばんじょうきん):後頭部から首の付け根にかけて走る筋肉です。脊柱起立筋の下層にあり、ともに頭を後ろで支えています。
- 横突棘筋(おうとつきょきん):一番深くにある背筋で頚椎同士をつなぎ頭部の位置を保っています。
- 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん):首の下、鎖骨の内側から耳の後ろの後頭部に走る筋肉で、頭を動かす重要な筋肉です。
- 椎前筋(ついぜんきん):頚椎の前面から側面にかけて走る筋肉です。首を前に倒す働きをします。
- 斜角筋(しゃかくきん):頚椎の側面から肋骨(鎖骨の裏あたり)に走る筋肉です。息を吸うときに働く筋肉です。
肩甲骨を動かす筋肉のコリ
- 僧帽筋(そうぼうきん):後頭部~肩甲骨~背中の中央部にあり、背中の上半分のほとんどを覆っています。肩(肩甲骨)の動きに大きく関与します。腕を高く上げる際にも必要な筋肉です。
- 肩甲挙筋(けんこうきょきん):首~肩にかけて存在し肩甲骨の引き上げに関与します。
- 菱形筋(りょうけいきん):小菱形筋・大菱形筋があり肩甲骨の間にあります。肩甲骨同士を引き寄せたり上げたりする働きをします。
- 小胸筋(しょうきょうきん):肋骨~肩の前面(烏口突起という肩甲骨の一部)へ走る筋肉です。肩甲骨を動かしたり、肋骨を引き上げて呼吸を助けます。
- 前鋸筋(ぜんきょきん):肩甲骨の裏から肋骨に走る筋肉で肩甲骨を前に引いたり肩甲骨を回すために働きます。腕を高く上げる際にも必要な筋肉です。
その他、肩こりに関連する筋肉
- 三角筋(さんかくきん):肩甲骨や鎖骨の外側から上腕骨にかけて働く筋肉です。腕を動かす筋肉ですが、肩こりがあると固くなっている事の多い筋肉です。
- 鎖骨下筋(さこつかきん):鎖骨の下を走る筋肉です。腕の上げ下げに関与し、胸鎖関節という鎖骨の関節を守ります。
- 上後鋸筋(じょうこうきょきん):背面上部から肋骨を引き上げる深部の背筋です。
僕が肩こりを施術する際は、このような筋肉を中心に施術します。筋肉は年齢とともに委縮し疲労回復にも時間がかかります。若い時のように代謝も良くないので仕方ありません。これらの働きを知って積極的に肩甲骨を動かしたりストレッチやマッサージを取り入れると良いでしょう。コリをほぐしても繰り返すような方はこれらを参考に対象の筋肉を強化しましょう。
まとめ
デスクワークなど同じ姿勢を保つ時間の多い人は、肩甲骨をほとんど動かす事がありません。日頃から肩甲骨を大きく動かす習慣を身につけましょう。
- 肩こりは僧帽筋のコリだけでなく、関与する筋肉は広範囲。
- 年齢とともに筋肉は委縮し疲労回復に時間がかかる。
- 肩甲骨を大きく動かす習慣を身につけて肩こりを解消しましょう。
毎日忙しい人や高齢者、麻痺や持病があって思うように運動できない人もいると思います。お気に入りのマッサージ院があればこれらの筋肉をしっかりほぐしてもらいましょう。